くちびるに歌を

くちびるに歌を

散らぬ牡丹の一つでいい。君の胸を打て。

フランケンシュタイン卒業論文

上質な地獄を

ありがとうございました!!!
最高でした。終わりたくない、、、
私は2回しか見れなかったんだけど、やっぱりキャストによって話の方向性が180度変わるのすごいね、、、

自分的な見解をまとめました。

 

あきかず...神様に喧嘩を売ってしまった2人。陽と言うより、清々しさを感じる。吹っ切れてる。まあ、関係はズブズブだけど。

かきこに...可哀想なにんげんが運命に弄ばれる話。この世界には神様なんていなかった。暖かいほどにズブズブな関係。

 

ハハッ良質な地獄。どっちも円盤買おう、、、

 

目次

 

 

↓それでは以下が本編です↓
※後半に行くにつれて、考察が濃くなるので注意です。

1/17 ソワレ あきかず回 日生劇場

ねえ、ビクター。そこに神様はいましたか?

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鈍器で頭を殴られるってこれか!私今まで殴られたこと無かったから初めての経験!
見た後、呆然としてしまった。正直、まだ消化しきれてない。でも、もう1回見たい。
あと、この地獄は私の好きな地獄です。

 

あきビク
・かずアンリに同情したから、、、ごめん。どうしても彼が100%悪いようにみえるんだ、、、

・そんな逆境に立ち向かう少年漫画の主人公みたいな顔したって私は騙されないぞ!!騙され、、、な、、、い、、、

・あっきーさんのセリフのトーンの上げ下げがずるい。「一体どうやって?」のトーンを下げたのはずるい。

・あきビクターがみんな失ってしまった後に、手がものすごく震えていて見てるのが辛かった。バラがライトアップされている中で1人で震えながら歌うビクターがあまりにもあわれで、あまりにもちっぽけだった。

・いっそ呪いをかけろ、、、もう彼は呪いにかかってしまっているよ。

・オフマイクで君夢の部分かな「アンリ」って呟いてたのオペラグラスで拾っちゃって泣いた。

・ラスト人間性が失われてしまったあきビクターに「いかないでビクター」って気持ちが止まらない。

・かず怪物の手を無理やり握り閉めて神に勝利宣言するのやめよう?

・SHIROHを信仰してるオタク。また、あっきーさんが人間じゃなくなってしまったのを見て静かに涙を流しました。

 

自己解釈
・あっきーさん神様に喧嘩売りがちだよ
ね、、、神様というかこの世界(物語)の枠組みに。「ならば神よ〜今貴様にくれてやるぞ」「神よ祝福をさもなくばいっそ呪いをかけろ」がリンクして見える。あっきーさんの歌唱力でその効果が増し増しになる。

・あきビクはさ、天才なんだよね。正直、彼の考えは分からない。寂しがり屋というよりはひとりぼっちの天才。

・かずアンリのこと、大切だとは思ってたんだよ。あきビクは心の中に魔物を買ってるんだよ。利害とか考えちゃうとさ、かずアンリを殺してしまった方が手っ取り早いとか考えちゃうんだよ心の片隅で。

・北極、無理だな、、、ほんと、、、
あきビクは結局「勝利」したんじゃないかって。誰に?「悲劇」に。
あんなに晴れやかに、「フランケンシュタイン!」って歌える?????

・あのギラギラした目が忘れられない。彼は人間じゃなくなってしまった。

・第1形態なんだよなこれ、、、最終形態見てみたかったなって思いました。

 

かずアンリ

・なんで処刑される時に笑顔で頷くの??なんで???

・「笑ってよ。」って無理では??

・自分の人生に意味がないっていってて、死ぬことによって意味が出来たはずなのに、怪物になった途端また意味を見失ってしまったの救いがなさすぎる。

・アンリ〜〜〜〜


自己解釈
・彼の話をさせてくれ。小説の二都物語の解説に「自分の生に意味づけをし、有意義で、より生きがいのあるものにするために、死を選ぶ」って主人公を分析している教授の文章が載ってるんです。
かずアンリも同じなんじゃないかな?
死んでビクターの実験の糧になることに人生の「意味」を見出してしまった。

・彼の生い立ちは描写されないけど、かずアンリは漫然と「自分の人生には意味が無い」って思って生きていたんだろうな。別に両親がいないのが原因じゃないかもしれない。処刑されることが「意味」だと思ったんだろうな。

・(めっちゃ妄想です)かずアンリは相手の欲しい言葉をあげれる人。いいかっこしい。八方美人。
それは無意識だったんだけど、自分が空っぽなことに次第に気づいていく。なんのために生きているんだ?って。

・実は歯車を狂わせたのはかずアンリなんじゃないかなって思うんだよね。あの子が処刑されなかったから、あきビクターはここまで暴走しなかっただろうし、悲劇も生まれなかった。

・彼は「糧」になりたかったんだよね。だから、最期に笑顔になれる。

・怪物はアンリにも囚われてる。アンリも悪い。


あきジャック

・ディズニーアニメに出てくるヴィランみたい。可愛い。

・あまり残忍さを感じなかったんだよな。ゲスさと幼さが勝る。


かず怪物

・私ゾンビとかが苦手なので(人が人知を超えた動きをしてるのが怖い)かなり、怪物のシーンかなりビビってたんですけど、途中から脳死して、カイブツ、、、カワイイ、、、ってなったから大丈夫でした(笑)

・クマオイシイ、、、

 

自己解釈
・あっきーさんのインタビューに書いてあって、めっちゃ頷いたんだけど「アンリも責任がある」そう、怪物は悪くないよ。

・彼の思考がまだ読めてないんだけど、ビクターに殺して欲しかったのかなって。

・かずき怪物、人間が好きだったんだと思うんだ。普通に愛に触れてたらこんな悲劇は起きなったと思う。


あきかずとは


・きっとこれはある男の罪の物語なんだよね?禁忌の物語なんだよね?
って思った。

・みんな人生の方向性を間違ってる。迷子。

・原罪の物語って思いました。
原罪って人間が羞恥を持ったこと。つまりは変化じゃん。あっきービクターがラストで「人間じゃないなにか」に変化したように見えたんだよ私。人間史においての罪の物語だよ。フランケンは。

原罪について調べてみた。

原罪の本質とは、神に等しき善悪の知識を得る「知恵の木の実」を口にした事で、何が善か悪かを自分で決めるという「自らを神」とする事、すなわち『神への反逆』である。

うわあああ、、、。あきビク、、、、。
神話〜〜〜

※その他の登場人物の感想は下にまとめて書いてます

 

2/16 マチネ かきこに 愛知芸術劇場

 

この世界には神様なんていなかったんだね。

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かきこに嫌いなわけないじゃん!!!!!大好きでした!!!
なんか最近気づいたんですけど、、、私、変に共感性が強いのか、登場人物が追い詰められるシーンで息が詰まることがあって、、、(息止めてるのかな)
かきこにフランケンは人生で2度目にそうなった。やばい。ちなみに、1回目はエリザの平方フランツの悪夢。

 

かきビク
・にんげんだ!!!!!

・かきビクめっちゃ酒弱い(笑)可愛い(笑)

・君夢が辛い、、、ボロボロじゃん、、、警備員に引き剥がされてもなお「アンリ、アンリ」ってボロボロ泣きながら叫んでいるから、、、

・ジュリアに対する対応、めっちゃ愛を感じた。てか、階段から下ってくるときのかきビク王子様か???って顔してる。イケイケ。

・怪物が話している時、受け入れたくない。聞きたくないって耳を塞いでいるように見えた。

・耳を塞ぐ動作が多い〜頭を抱える動作が多い〜辛い〜むり〜

・かきビク全面に出てる動作が「拒否」な気がした。周りの実験を止める声を受け入れられない。死を受けいれられない。怪物を受け入れられない。
あきビクは受け入れた上で神に喧嘩売る感じがした。

・最後、あまりにも優しい声で「アンリ、アンリ」って呼びながら抱き寄せるから、、、

・でもかきビクは悪くない。悪いのは神様のいないフランケンの世界(混乱) 

 

自己解釈

・天才というよりも「頭のよかったにんげん」。この境は難しいけど、、、神に喧嘩売れるか売れないかかな、、、

・環境がかきビクの性格を作り上げてしまったように見えた。後天的。幼い頃にもったある種の「才能」を大人が認めてあげてればあんなにかきビクの性格がねじ曲がることはなかった。

・かきビクは子供のまま成長が止まってるように感じたんだよね。多分それは幼い頃に愛されなかったから?承認欲求を満たせなかったから?

・かきビク「生き返らせる」→褒められるって考えてる節が無意識にあると思う。無意識にインプットされてる「生き返らせなきゃ、、、」っていう焦り。だから何度も繰り返す。その1番の理由は大人になっても「死」というものを受け入れられていないから。

・最後に怪物(アンリ)の「死」を目の当たりにすることで、「死」を受け入れられたんじゃないかな。


こにアンリ
・あ〜〜〜〜〜推しです。推しでした。大好きなタイプでした。たすけて

・酒場のシーン、かきビクとこにアンリのへべれけ具合がすごくて、「羽目を外しちゃった大学生の飲み会、、、?」って気持ちになって微笑ましかったです。そのシーンだけが幸せでしたね。かきこには、、、

・君夢のときに、「夢」というワードのときにかきビクの胸に自分の手を当てて、どんどんってしてた気がするんですが?幻覚?

・君夢の、、、言葉につまるところ、、、こにアンリお前、、、ボロッボロに泣いてるじゃん、、、生きたかったんじゃん、、、

・こにアンリ、生きたかったし、周りの誹謗中傷の言葉に確実に傷ついているよね。「あ〜人殺し」のとこ、こらえるような顔してたから。

・こにアンリなんで死ななきゃいけなかったんですか?彼は悪くない。

 

自己解釈

・素直。どこか影があるけど。生き方が素直。

・絶対1人で宅飲みタイプなのに、ビクターを助けるために、居酒屋で盛り上げ役をやってたんでしょ、、、、絶対酒弱いでしょ、、、、!!人付き合いも苦手でしょ、、、!

・こにアンリ、絶対、友達は数より質タイプ。友人は多くないだろうけど、その友人との関係が濃くなるタイプ。ビクター。君のことですよ。

・1幕あまりにもこにアンリが好きすぎて「え、なんで小西アンリが死ぬ必要があったんですか?????小西アンリを殺した人類を許せなくて泣いちゃった、、、(過激)」てツイートを幕間にしました。すみません。でもわかってください。

・なんかもっとこにアンリについて語りたいのに好き以外の言葉が出てこない〜あ〜〜〜好き


かきジャック
・噂には聞いてた。ヤバいやつ(やばい)

・やることやってる、、、なるほど、、、

・キャッキャウフフしてる時と真顔のときの温度差がすごいよ、、、怖いよ、、、

・かきジャック、歌合うね、、、かっきーこういう中性的(?)な役もきっと上手だからほかのも見てみたい。

・かきジャックにオタクとして、ときめいた自分がいました(やばい)

 

こに怪物
・や、優しい、、、カトリーヌ、、、こんなに優しくしてるのに裏切らないで欲しかった(過激派)

・カトリーヌの涙拭いてあげるし、裏切られても笑顔を向けるし、、、

 

自己解釈
・アンリの記憶、、、あるのかな、、、私には判定しかねる、、、けど、最後のあの怒りは確かにアンリを含めた怪物のものだと思った。最後に「ビクター!!!」ってもの凄い怒りが来るのに驚いたよ、、、

 

かきこにとは


・感情につぐ感情。叫び声の応酬。感情の殴り合い。名古屋千穐楽なこともあって、色んなキャストさんが感情のままに歌っている感じがしてとても良かったです。

・あきかずの時はお前らが悪いわ!!!って殴り込みに行きたくなったけど、かきこには誰も悪くないよ???って気分になる。おかしいな、、、

・5階席だったから、やたら神視点で見えてしまって辛かったんですよね、、、どうも壊れた額縁の中で繰り広げられる悲劇に見えて、、、箱庭の悲劇、、、

・あきビクは神様に喧嘩を売ることも、物語の結末に反発することもできるけど、かきビクは、、、出来ません、、、彼はにんげんだからね、、、

・上にも書いたけど、あきかずが神様に喧嘩を売る原罪の物語だとしたら、かきこには神様なんかいないフランケンの世界でかきビクが「死」を受け入れる物語かなって。それは絶望を伴うものでもある。

 

 

ジュリア/カトリーヌ
・名古屋千穐楽のカトリーヌやばかったからな、、、好きでした。

・怪物と歌ってる時にボロボロ泣き出してしまったしな、、、

・そういえば、ジュリアも泣いていた、、、

・カトリーヌの歌曲調が変わっていきなりドスが聞いた感じに変わるところが大好きなんですけど。東京名古屋どちらもすごかったな。

 

エレン/エヴァ
・名古屋千穐楽のエレンもやばかったからな、、、

・めっちゃ声の伸びが出てて、演技も盛り上がるようになってて、エレン見ながらガチ泣きした。

・リトルビクターを送り出すところ。涙声になってた、、、

・エレンは等身大のお姉さんという感じがして好きだった。エヴァちゃんの振り切れっぷりも大好きです。

 

ルンゲ/イゴール
・いつも楽しませてくださりありがとうございます。この上質な地獄の中で最大の癒しです。(何目線)

 

 

神よ呪いをかけろ


怪物の「俺から見ればお前たちの方が怪物だ」って言葉が、ほんとにそうだと思いました。フランケンシュタインって現代では怪物そのものの名前として通ってるじゃないですか。それはある種の呪いでは、、、って。人間であったはずのビクターの名前は現代では「怪物」として存在する。上手く言えないけどなんかエモい。

 

北極の解釈


韓国の情報を聞いて日本では削ったところのセリフ、重要なのまさにそこでは???って思いました。日本のも好きですが。
カトリーヌが「人間がいないから」「自由だから」北極に行きたいって言ってますね。私は、最初ラストシーンを北極にした理由、「2人しか人間がいない最果ての地」だからかなって思ってたんです。でもそうなると、北極じゃなくても良くなってしまう。砂漠の真ん中でも、高い山の頂上でもいい。

もっと「北極」である意味を考察したい、、、

と思っていた矢先、
韓国側のセリフで「人間がいないから人間であることを忘れてしまう」からというのがあると知りました。
人間と怪物の区別がなくなる、、、2人が対等に向き合える場所。そして、これならあきビクが人間じゃなくなるのもうなずける、、、
そして
「北極の1番高いところで待つ」というセリフ。日本ではカットされてるけど、確かに怪物がビクターを待っていたのは舞台上で1番高いところだった。
北極の1番高いところって神に近いところって印象を受けたんです。謎の神々しさ。

あと、勝手に北極の解釈を考えてみたりしました、、、
「死に近い場所」北極って普通に考えて、危ないんですよ。死にますよ。上で言ったように、神に近いってそういうこと。でも、北極の死は多分綺麗なんだ。北極で化石が見つかるように、幾分か原型を留めたまま凍ってしまうから。
死に近い場所で、神に近い場所で、二人は最期の対話をするんです。
そして、2人はずっとそのままなのかもしれない。二人ぼっちの北極で、死んだあともきっとそのままの形なんだ。
「あの星になりたかった男」これは勝手に自己解釈なんですが。怪物の歌でビクターをこのように言っています。「あの星」=「北極星」では、、、って勝手に思いました。そうするとなんかエモいですよね。

 

一人二役について


微妙にリンクしているようでしていない一人二役。そこの余白がまた良い。
私は怪物の回想として出てくる闘技場の人物たちは、実際に瓜二つだったかは怪しいと思う。別に実際に瓜二つじゃなくてもいいんだ。ビクターもジャックも同じ憎しみの対象として怪物に捉えられていることが重要で。怪物視点の回想だから、怪物がどのように捉えたかが重要。怪物が奥深くに眠るアンリの記憶を頼りにその顔を「当てはめていたら」、、、

 

最後に


フランケン!!ありがとう!!!いっぱい楽しめました!!!どちらのペアも大大大好きでした、、、どストライクはこにアンリでした、、、

そして、神キャスティングを考えてくれた偉い人!!!ほんとにほんとにありがとうございました。

一足先に終わってしまったので早くDVD買います()