くちびるに歌を

くちびるに歌を

散らぬ牡丹の一つでいい。君の胸を打て。

SHIROHについて

SHIROHが大好きです。

 

 

初めて見たのは高校生のときのゲキシネ。以前見た蛮幽鬼がとても面白かったから今回も!って気分で行きました。

地獄絵図だった。

 

映画館で爆音で聞く

SHIROHは地獄。

 

ちなみに、私、高校のころ合唱部に所属してたんですけど、定期演奏会ゲキシネSHIROHの一週間後だったんですよね。どんな気持ちで賛美歌を歌えと、、、。

1番はじめにSHIROHをみた時の感想はこの劇作った人全員天才か?????でした。天才です。観劇オタとして生きてれば自分の琴線に触れる物語って出会うじゃないですか。まさにそれでした。
本当に新感線さんが大好きになったんです。こんなテイストの劇も作っていらっしゃるのかと。

はい、感想がまとまりません!!!

そんくらい好きなんです。

それをやっとWOWOWさんがやってくれて。高画質で2004年の劇を放映出来るとかやっぱり天才か????って思いました。

2回目でも無事死にました。

3回目は友達と上映会しました。
友達の語彙力を見習いたいと思いました。
楽しんでもらえたようで良かった。

 

 

こっからは私の感想を自分が気が済むまで話します。


シロー
・あっきーさんをキャスティングできた人にお金を振込みたい。あと、20代のあっきーさんを映像に残してくれてありがとうございます。

 

・天才っているんだ。
趣味でもなんでも音楽を5秒ぐらいかじってると感じると思うんですけど、音楽に愛されてる人って実際いますよね。歌ってるとスポットライトが当たってるみたいにみえる人。惹き付けられる人。カリスマ。シローくんという役がなせる技なのか、あっきーさん自身がなせる技なのか。私は両方だと思うんですよね。だから、キャラクターと役者が一体となって見えてしまう、、、より地獄、、、

 

・自分の才能に食われてしまう感じ、ほんとM!と同じ道のりですよね、、、

 

・シローくんはほんとに普通の少年だと思うんです。異国を夢見て、仲間思いで。仲間と信じてた人を殺された時、誰だって悲しみますよね。誰も信じられなくなりますよね。それで終わればよかったのに、彼には力があった。そこがこの物語を破滅に向かわせた点である気がします、、、。彼の力が狂気を後押ししてしまった。普通に仲間と凧揚げして暮らしているのが彼の幸せだったかもしれない。

 

・前の話翻すんですけど、シローくんは誰かに必要とされたかったのかもしれない。神様を信じていなくても、キリシタンのみんなを仲間だと思っていたし。組織を背負ったことで、仲間と暮らしてた時よりもずっと成長したし、満足していたし、お蜜さんには感謝していたと思う。けどね、、、

 

・お蜜さんが死ぬ間際に洗礼してあげるシーンが死ぬほど好きなんですけど、死ぬほど地獄ですよね。

 

・1番人間らしく生きた神の御子だったよなあ、、、

 

・ラストジャッチメント!皆殺しだ!!辺りからしんどすぎて記憶が飛びます。

 

・実は私が1番感情移入してしまうのはシローくんなので本当に幸せになって欲しかったなって思います。みんなで船で海の向こうに行って欲しかったなあ、、、、


天草四郎時貞

・ほんとに美男ですね。一緒に畑を耕したい。あと、上川さんやっぱり殺陣の見せ方が上手い。

 

・私四郎さんは善人ではないと思うんです。
シローくん側から見ると、自分の力がない分周りを利用しているように見えるんです。偽善者に見える。本当は四郎さんは悪い人じゃないのはもちろんわかってるんですけどね。でも、彼の行動は全て空回りする。

 

・ラストのまるちりのシーン本当にいつも辛いんですけど、「神はそんなことを望んではない!」って暴走するシローくんを止めるのが本当に、、、それから彼がどれだけ叫んでもみんなには届かなくなるんですよ。そのあとの流れも、四郎さんだけあの惨劇の傍観者であり、1人だけ正気なんです。取り残されてる。つらい。

 

・私がいつも泣くポイントがあるんですけど、四郎さんがみんながどんどん死んでくのを見ながら、自分の声はみんなにはもう聞こえないってシローくんの亡骸に話しかけるところ。いくら自分が叫んでも皆には届かない。それをみんなに自分の声を聞かせ動かす力を持っていたシローくんに言うんですよ。彼は神の力を持ったシローくんを認めていたし、羨んでいたし、妬んでいたし、信頼していたんだな、、、

 

・最後に断罪を求めるのはずるい。私がユダだと歌うのはずるいよ、、、四郎さんが自分の非を認めてしまった瞬間、生き方の違いはあれども四郎さんもシローくんと同様に生きにくい人生を歩んだ人なんだなってわかって泣いた。私はなんのために生きている!って言葉でいつも泣く。

 

・リオちゃんと同じセリフで寿庵ちゃんに死なれたのつらい、、、さんちゃご四郎様、、、

 

山田寿庵

・史実だと島原天草一揆の生き残りがえもさくさんという方。寿庵の父という設定。SHIROHでは生き残りは寿庵ちゃんだったけど史実を元にしてるのは震える。

 

・絵も実在するんだ、、、。えもさくさんが運び出した絵らしいね、、、

 

・ずっと思ってるんですけど、始まり方が最高ですよね。終わり方も最高です。回想として始まるのが、、、

 

・彼女は島原天草一揆を語るべき人であり、だから四郎さんと命の交換をしても生き残ったのかなと自分では解釈しています。

 

・ラストシーン周りでは惨劇が起きたあとなのに四郎さんと寿庵さんだけ二人の世界って感じがしたのですが、それが正しいですね。私たちは島原天草一揆って歴史を知ってるから何か大きなうねりのように見えるけど、当事者たちはその名前が無い、瞬間を生きているのだから、、、小さいことに見えるけど、その瞬間のしろーさんにとって一番救うべきだったのは目の前にいる愛する人だったんだな、、、

 

・最後の最後に寿庵さんが歌う歌が四郎さんと歌った、完璧じゃない貴方が好きという趣旨の歌なのがエモいなってずっと思ってます。ラストがそれなんだなあ、、、

 

お蜜

・くのいちはずるい。しかも伊賀の忍びなんですよね、、、

 

・この物語の歯車を動かしてしまったのはお蜜さんで間違えないと思います。彼女がしろーたちを会わせなかったら悲劇は生まれなかった。

 

・利用しようと近づいたシローくんがいつの間にか光に見えたんだね。伊賀の忍びは闇にしか生きれないのに、眩いほどの光を持って自分を慕ってくるシローくんを見て、自分も光の下で生きられると思ったんじゃないかな。

 

・ラスト、キリシタンの格好をして出てきたお蜜さんを見て泣きました。

 

リオ

・憐憫の具現化みたいですよね。愛とか慈しみとかそういう類に見えます。

 

・私には彼女の正体を語るほど人間が出来てないので「概念」って捉え方をしています。神様ではない気がする。


その他思ったことたち。

・ミュージカルの沼の住人的には同じメロディが全く真逆の場面でリピートされるので泣く。リプライズの効果を最大限に利用しているよね、、、私が特に好きなのはさんちゃごの歌が2幕の初めとラストシーンで流れるところ。みなを鼓舞する戦いの歌が集団殉教する歌になるのエグすぎるよ、、、

 

・ペンラ振りながら見たい。曲、デーモン閣下に土下座したいくらい好き。

 

・なによりも!終わり方!全員集合!みんなで歌う!帝劇かよ!!ありがとうございます!

 

・民衆が動く劇が、熱くて、愚かで、切なくて、残酷で、危うくて、儚くて大好き、、、

 

・登場人物は皆夢と希望がある楽園にいると思っているのに、観客はそこは地獄だよって知っているし、徐々に歯車が狂っていく様があまりにも残酷。

 

・1幕どんな顔して見ればいいの、、、?
いつもこれなら勝てる!!!って思いながら見てるんですけど、何故か勝てないんですよね、、、

 

・テイストが明るめな舞台だから内容との乖離があまりにも残酷。

 

・ラストシーン、中島かずきさんがフィクションだから変えることが出来たのに敢えて全滅エンドを選んだと言ってたのがエモすぎ。

 

・あのキッスは地獄のキッスと真逆のしろうさんが最後に奇跡的に使えた力、命の交換であり、語り継ぐものとして彼女をのこさなければ行けなかったからそうしたってこと、、、?しろうは2人で1人?神に召されて死ぬしかないの?

 

・この演劇を通して中島かずきさんが何を伝えたかったか言葉ではわからないし、観客は死んでいく登場人物と自分の感情の乖離でボロボロになるのに、確かに伝わるのはアナログテレビから流れる今の世界の現状。
滅びていくものたちに救いの手を差し出せないことが観客は何よりも苦しいし泣いてしまうな
人間の愚かさを知るよな、、、

 

・もっと真っ当に生きようと思うよね、、、

 

しろーの不幸は主人公とまわりの温度差。若い主人公2人だけが苦悩してる。彼らを狂わせたのは周りの大人。

私は社会的な意見をSHIROHという作品では言いたくないし、言わないです。SHIROHという作品を教訓っていう2文字で片付けたくない。

私が感じるのはSHIROHは問題提起だということ。
この生き様を見せつけて今の私たちは何を思うか。

それは別に肯定でも否定でもなくて。ただ私たちに考えて欲しかったんじゃないかな。

 

再演見たいです。
今の新感線ならどうするか見たい。
ステアラで回りませんか???
いつやりますか????

 

最後に

私はSHIROHという作品がずーっと大好きです。

素晴らしい作品を作り上げてくれた新感線さん本当にありがとう。

 

今年も偽義経行くからね!!!