くちびるに歌を

くちびるに歌を

散らぬ牡丹の一つでいい。君の胸を打て。

狐晴明九尾狩(ライビュ/ディレイ)

狐晴明九尾狩見てきました!!!

観劇する時期が絶望的に合わなかったため、ライブビューイングとディレイビューイングだけだったのですが、本当に楽しかった。
ライトでアニメチックな新感線だった。
しかも、ディレイビューイング、私の地元では珍しく前方3列以外はほとんど満席でした!!高校生の時からゲキシネやライビュに通っていましたが初めて見た光景.........

新感線さん!!!祝日の映画上映需要あります!!!

 

↓それでは詳しい感想を↓

安倍晴明
・優勝!!!!!!!!!!!

・題名発表された時の友達との会話
「主人公晴明だって〜!!晴明は長生きだからバッドエンドとかは無さそうだけど、生き地獄みたいな展開だったらやばいよね〜!!!流石の新感線でもそれはないか、、、笑笑笑」
狐晴明初見後の私
「ドウシテ……カズキ……ドウシテ………………………………」

・喜怒哀楽が激しい人間的な、それでいて且つ自分の感情に無頓着だった晴明くんが可愛いなって思ってたらラスト10分で全てを破壊された。

・私が新感線が恐ろしいなって思う理由、ラストの流れから感情を奪われたあの表情の方がむしろ中村くんのチャームポイントのポーカーフェイスだってことなんですよね。これをやるために中村倫也をキャスティングしたんですか??究極の当て書きすぎて震える。

・怒りって相手にレスポンスを求めてるから生まれるものだと思う。だから逆に怒らない人って相手に期待してないから怒らないはず。怒らないというか見限るよね。
だから、あのラストの晴明はもう誰にも期待できないんだって思たりした。悲しいな。

・あんなに頭が良いのに案外冷静じゃなくて、沸点低低晴明くんは、ちゃんと相手に期待してレスポンスを求めてたが故なのだと思うといたたまれなくなるんだよな、、、ちゃんと人間的だったんだよ、、、

・パイに「喜怒哀楽を全て奪われた孤独の中で〜」って言われた時、晴明くんが苦しそうな泣きそうな奥歯を噛み締めるような表情をしてたんですよね。その時に、彼は喜怒哀楽を奪われるのが悔しかったんだなって思って悲しくなりました。

・彼の今後の人生に幸いがあってくれと願わずにはいられない。


パイ・フーシェン/利風
・スーパービジュアル向井理!!!空飛んだ時楽しすぎてきゃっきゃしちゃった。

・1幕ラストがほんとにかっこよくて粋なことをするなって思いました。そしてこの1幕の「九尾狐晴明狩」がラストを示唆しているようにも思えますね。

・利風とパイの演じ分けが凄い。利風はほんとに晴明を気にかけていて大切に思っていたんだと感じた。

・晴明はずっと利風を見ていたという事実があまりにもパイにとって残酷。顔は印だった。

・晴明が利風を斬るシーン、両者肩を震わせていて本当に悲しかったし、絆を感じた。

 

タオ・フーリン

吉岡里帆が大好きなので最高の吉岡里帆を頂けて嬉しい。

・本当に本当に可愛かったのでまた出て欲しい次は高笑いする悪役やりませんか?????(カルテットでポテンシャルを知ってるので)

 

ラン・フーリン

・可愛い。早乙女弟に実際に弟を演じさせるの最高に可愛い。大阪の可愛い追加シーン見たかった。

・やっぱり最強の剣士なので殺陣が凄い。見えない。

 

虹川悪兵太
存在自体が夢三郎(夢虎)のアンチテーゼであることがしんどすぎる。何故竜星涼に夢三郎の次に演じさせたのか.........しんどい。

・にこにこ歌ってて、楽しそうだったな。竜星涼くん前ラジオで歌うの好きだって言ってたから本当に楽しかったのかも。

 

尖渦雅

・いや浅利さんだと思わなくてびっくりした
声違くない??

・噂に聞く大阪公演の可愛い渦雅さん見たかったなって思いました。

 

 

感情についての話それぞれ

・私は、感情を失うより取り戻す物語の方が好きなのかもしれないなって思った。狐晴明見たあとに「沖晴くんの涙を殺して」って小説思い出してよりメンタルやられてる.........あれは感情を取り戻す話だけど、晴明くんのラストが沖晴くんの初めと同じだった。
感情を失った人って、無表情になるんじゃなくて、取り繕った笑みを浮かべるんだね、、。

・感情を失う事が生き地獄なのか分からなくなってきた…本当に何も無い砂漠を歩くようなものなのかな。本人は日々に感情がないことをつまらないとも悲しいとも辛いとも思わないのだから。悲しいと思っているのはそれを観測している外野だけなのでは…そう思ってしまう。

・もしかしてだけど、晴明が感情を奪われたこと、皮肉にも利風を失った悲しみへの防衛反応だったりする?

・かずきさんって何かを失っても泥臭く人間的に生きていく話が多いからまさか主人公の人間性を奪い取るとは思わなかったな。
それって、過去作だとSHIROHとか阿弖流為と同じだ。主人公が神になってしまう話だ。

・晴明はもしかしたら自分が感情に無頓着だったこと、感情を人の行動原理だと思い利用したこと(タオちゃんの前での死んだフリ)の報いを受けたのでは。感情を大切にしなかったから感情を奪われたのではないか。そう考えると厳しすぎるだろうか。

・身体を奪われた利風と心を奪われた晴明の対比。やっぱり晴明は利風抜きでは語れない。

 

結末について

人って事故や病で今までと違う状態になってしまうことってあるじゃないですか。
そんな時にその人がそうなったことは確かに悲しいことだけど、その結末がバッドエンドって外野が判定して良いのかなって思うんです。周りが可哀想っていうのはなんか違うんじゃないかなってずっと思ってるんです。
だから、喜怒哀楽を失った晴明がバッドエンドかは私には分からない。この地点ではハッピーエンドって訳じゃなくて、判定不能って感じ。
ただ、晴明の勝算は仲間にあったとおもう。例えパイが感情を奪っても、仲間は奪えなかった。喜怒哀楽がなくなっても周りに愛情があるっていう安心感は失ってないと思うんです。
そこはパイの想定外のことで思考を上回ってるっ思うんです。
だから、晴明は勝ってるとおもう。

晴明は勝ってるよ!!!!!!

 

・最後の感情を奪われた晴明像が後世に伝わる晴明像だと思うと切なくなる。本当に笑って泣いて怒って楽しく過ごしていた彼を知っている人はいなくなってしまうんだね。

 

実はこれは内緒なのですが、ライビュの時新感線の発車ベルが鳴って舞台に文字が現れたとき少し涙ぐみました。あぁ、新感線見に来れたんだなって感慨深くなった。やっぱり新感線大好きだな。

さて、次回は

戻ってきた神州無頼街だ!!!