くちびるに歌を

くちびるに歌を

散らぬ牡丹の一つでいい。君の胸を打て。

パ・ラパパンパン 11/27 マチネ

感想2つ目!!

11/27

マチネ

シアターコクーン

 

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事前に配信を見ていたのですが、現地でストーリーを知った上で見ると、初めの方から伏線ちゃんと貼られてる!!と感動しました。愚者の毒とかプレゼント交換とか鎖とか…
あとアドリブとか端の方のお芝居を見るのには絶対現地が良い!!!
クスッと笑えるクリスマスにピッタリなハッピーミュージカルだと思います。

 

浅見鏡太郎(神木隆之介)
・この子舞台2回目なんですよ…凄すぎる…
・神木くんのことになると冷静な感想が言えなくなるのですが、歌もダンスも太鼓の達人も全力でやっていてやっぱり素敵だなと思いました。
・ハイライトは皆川さんの激しいアドリブにツボってしまった神木くんです。刑事役の小松さん共々前を向けなくなるくらい笑ってしまい、最終的に松さんに肩を叩かれているのが可愛かったです。でも直ぐに軌道修正したのめちゃくちゃ凄い。

 

来栖てまり(松たか子)
・最高にlet it go のアンチテーゼソングが上手でした。めちゃくちゃ響く。
・おちゃめでボケとツッコミが冴え渡るキャラクターで会話展開が本当に面白かったです。シリアスなシーンと緩いシーン役のメリハリがすごい。
・松さんはやはりチャーミングな役が似合うと思う。

 

エベニーザ・スクルージ (小日向文世)
・側転していたのが1番驚きました。凄い動くじゃん小日向さん。
・色々なドラマで拝見していたので、実際に見ても深みのある演じ方が本当に凄いなと思いました。でもしっかりアドリブを入れてて流石でした笑

 

最後に、

フレッド役の大東さんの藤原竜也さんの真似、1番笑いました!!!!!笑

ナイツテイル 11/5 ソワレ

もう年越しだ!!!やばい!!!

ということで、書き溜めてたレポを高速で消化していこうと思います。

まずはこちら!!

 

11/5

ソワレ

帝国劇場

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なんと前のエリザ2019年の8月22日ぶりの帝国劇場、そして芳雄さんでした。

嘘だろ…

 

久しぶりの帝劇で、噂に聞いていたハッピーギリシアミュージカルが見れて本当に楽しかったです!!

 

なんか以下感想というか考察文

↓ちょうど授業でギリシア悲劇について学んだのでメモ程度に書き起こしてみました↓

 

ギリシア悲劇における「法」の構図

アンティゴネーのお話を取り上げたい。
オイディプス王の娘アンティゴネーは王権争いで死んでしまった実兄を埋葬しようとする。しかし、新王クレオンはポリスの法に従ってその埋葬を禁じた。その法を守らず実兄を埋葬しようとしたアンティゴネーは捕らえられ牢屋に入れられてしまう。獄中でアンティゴネーは自死を遂げてしまい、アンティゴネーの婚約者にしてクレオンの息子ハイモンも、その母でありクレオンの妻であるエウリディケーもその後を追い、亡くなってしまった。」

この場合王とは「法の神聖さを守る者」であり、「ポリスの法を遵守」することに重きを置いている。法を守らなければポリスの秩序が保たれないためである。
ヒロインは「調和と秩序を破る者」。「書かれていない神の法の遵守」つまり愛とか情とか個人的な感情を優先する。

この個人考え方の違いは物語の緊張感を産む。
アンティゴネーではこの法の対立からヒロインは死んでしまい連鎖的に悲劇が起きる。

 

悲劇を回避するために
ナイツテイルの話に戻りたい。ナイツテイルの原案になった「2人の貴公子」という物語がある。大筋は同じであり、登場人物も同じである。しかし、結末が全く異なる。アーサイトが死んでしまったり、エミーリアがパラモンと結ばれたりする。ナイツテイルを悲劇にしないためには決闘を未然に防ぐことが重要であった。
その方法は2つである。

 

ナルキッソスの話
2人の戦いが自己愛によるものであると意味付ける。彼らは愛するもののために戦っているのではなく、自分自身のために戦っているのだと。自己愛は身を滅ぼすと結論に持っていく。

②新たな神への信仰
神そのものを登場させることにより、ポリスの方よりも上位の法を見せる。法の対立による個人の緊張感を緩和させ、人間同士の争いではなく人間と神という構図にする。


新たな神は反発されるのではなく祝福され受け入れられるというのも興味深い。

 

その他ギリシア悲劇のあれこれ

・劇の前後で「これは劇である」ということをあえて強調(あまりない形かも。蜷川さんが似たようなことやってたかな?)
私たちが古代の役者の劇を見に来てる気分。
例えば私たちが見ているのはパラモンであり、
パラモンを演じる古代の役者であり、
パラモンを演じる古代の役者を演じる井上芳雄である。

 

ソネット調のセリフ
シェイクスピア的である一方日本の韻の踏み方を真似ていると感じる。歌舞伎?落語?に近いかな?

 

・「ちょっとだけ泣いてちょっとだけ死ぬ」
死ぬの解釈。「心を殺す」って意味なのか、「眠る」ってのの隠喩なのか、、。シェイクスピアマクベスなどで「眠り」を効果的に使っているので後者の線もありそう。

 

小難しいことを書いてしまいましたが、

最推し芳雄さんの殺陣は最高だったし、光一さんのダンスは最高だったし、桂さんのお歌は最高だったし、萌音ちゃんは本当に本当に可愛かったです!!語彙力!!!

 

フェイクスピア(WOWOW)について

WOWOWで録画したものを見ました。
言葉が出ません。安易に感想を発することが出来ないくらいには胸に迫るものがありました。感動とは言い難いくらいあまりにも重い感情を受け取った気がします。

舞台設定のネタバレを踏んではいたんですが、高橋一生さんがパイロットの衣装で登場した瞬間、比喩ではなく涙止まらなくなってしまいました。

 

 

物語は何たるものであるべきなのでしょうか。
この物語を不謹慎だという人が言うかもしれない。逆に感動的な物語だと言う人がいるかもしれない。私はどちらでもない感想を持ちました。ただただ衝撃的で、これを作った野田秀樹さんに底知れない恐ろしさを感じました。

私は演劇って「経験」だと思っています。人によって感じ方は様々だけど、閉鎖的な空間の中で目の前で物語が繰り広げられる舞台というものは誰から見ても恐ろしく「リアル」です。
でも、いくら「リアル」でもそれはフィクション。いくら登場人物が酷い目にあっても最後はカーテンコールで演じた役者が笑顔で手を振っている。良かったフィクションだった。そう観客は安心する。それが舞台です。

 


でも、フェイクスピアは違ったんです。いくらあの物語が舞台であっても、あの言葉は、「本物」だから。それが心理的な安全性を根本から揺るがすものであると私は恐ろしく感じました。多分これから私は飛行機を見る度にこの舞台を思い出してしまう。それくらい人の記憶に暴力的に爪痕を残すような作品だと思います。
でも、恐ろしさを感じつつも、同時にこの構成を考えた野田秀樹さん、主人公を心に迫るくらい演じきった高橋一生さんに尊敬の念しかありません。また、個人的に注目したいのは、この物語は亡くなった人の痛みや無念を直接的には描かなかったということです。特に後半はただ不在の神様に抗った姿を「本物」の言葉で紡いだだけ。もしかしたら野田秀樹は私たちにあのノンフィクションの言葉を「目撃」してもらいたかっただけなのかもしれません。

 

人間は自分の悲しみを昇華して飲み込むために「物語」にするっていう話を私はいつだか授業で聞いたことを覚えています。この物語が少なくとも誰かにとっての何らかの着地点になって欲しいと願っています。少なくとも私は、何かを受け取れたように思います。


「SHIROH」、「DearEvanHansen」、「PARSMUSHIR」に続いて、また守りたい物語が出来たように思います。

はじめての繭期2021について

やっと落ち着いたので、溜め込んでいた今年の舞台の感想を放流します!!

まずははじめての繭期2021から!!!

 

SPECTER(再演)

村の最悪さが滲み出ているキャスパレが大好きです。 曲が途中で拍子が変わるから気持ち悪さが増す。


ガバンリ

・最期が焼き付いて離れない。

・強さと優しさが両立した武士のような人だった。この人が「リリィ」の旦那さんなのが納得出来る。
・キャスパレの冒頭の群衆に飲み込まれる演出。ガバンリが亡霊だから亡霊の村に取り残されるように見えて辛くなった。

セキシュン

・この人なら今後悲しい結末になっても納得出来る。ほんとうにガバンリの死を悲しんでいた。
ノーム

・この子がガバンリになるのか。胸に迫るものがあるな。
ローザ

・美しくて狂っていた。この人に尽くす人が多いことに納得する。

・泣き顔が怖かった。人を惑わす顔をしていた。
シャド

・キャラ造形も結末も全く異なっていておどろいた。確かに人が狂うような造形のキャラクターだ…

 

COCOON月の翳り

青春が無惨にも壊される青春物語だった。エーミールとウルの演じ分けをしていた宮崎さんが最強で大好きです。

 

↓ここから見るのが2回目作品です↓

長文が続きます!!

 

COCOON星ひとつ

「誰もこの死を嘆かせたりしない」
「お前の死は希望なんだ」

 

物語の最後について

ダリちゃんほんとにほんとに大好きなんだけど、1発殴らせて欲しいです。星ひとつ2回目だったんだけど2つの感情を持ちました。1つ目はダリちゃんの思いを否定したくないと言う感情。2つ目は私の信念上どうしてもダリちゃんの教育を肯定したくないという感情。

1つ目の感情。

ウルとラファエロの目線だとダリちゃんの言葉は都合のいい解釈かもしれない。でも、その人の死を受け入れないと、ちゃんと肯定しないとやっていけないこともあるんだよ。その人の生の物語の肯定が、その人へのはなむけになるといいなって、生きていく人は願わずには居られないんだよ。ただこれは死への物語の付加じゃなくて、「生への肯定」じゃなきゃいけないんだ。ここは間違えちゃいけない。末満さんと死生観が一致してるタイプではないんだけど、ダリちゃんがウルの死を「誰もこの死を嘆かせたりしない」って言ってくれたことと、黑世界のリリィちゃんの生き方だけは、ありがとうと言いたい。全力で。

2つ目の感情。

どうしてもウルやラファエロの立場になるとこの終わり方が空虚なものに見える。あと私が学んでいる学問の立場上、どうしてもダリちゃんの教育について恩情を与えたいと思えない。ダリちゃん本人は自己完結出来たとしても、ウルとラファエロの顛末、そして絶望して死んだことは変わりのない事実なんです。それはダリのはたらきかけでもう少しどうにかなったことだし、本人が無理だった場合は外部がどうにかしてあげるべきこと。未然に防げたであろうこと。この世界の児童相談所どうなってるんですか?

でも少なくとも繭星は、物語としてはウルの話なのに、最後にはウルを送ったものの肯定の話に変わることは揺るぎない。ウルの物語は生きるものの物語に昇華されたということなのかな。

 

グランギニョルとしての繭星

繭星がグランギニョルだって分かるの好きなんだけどそれによって、TRUMP(繭星)がグランギニョルの一部に集約してしまうのがめちゃくちゃ嫌だな。TRUMP(繭星)はウルの物語のはずなのに。ただダリちゃんから見るとグランギニョルの一部でしかないんだよな。悔しい。

 

グランギニョル(ブルーレイ)

ブルーレイめちゃくちゃ画質が良いね…

 

演出あれこれ

・人形のように回る人達はダリちゃんの客観性を表している気がした、、、ダリちゃんのあの余裕と情がある冷めた視点。
・りょんは1789とマタハリで自滅していく役がめっちゃハマることを知っているので、あなたのポテンシャルはこんなものじゃないだろ!!って気持ちになる。また末満作品出て欲しいな。

 

ダリ・デリコについて

末満さんの舞台、刀ステだと大切なものを失って戦えば戦うほどまんばは美しくなっていくし、TRUMPだと死者を背負えば背負うほどダリは誇り高くなってくんだよ。逆境に立たされれば立たされるほど主人公は輝く。

 

ダリちゃん辛い時ほど余裕を見せるんだと思う。グランギニョルと星ひとつでダリちゃんは妻も大切な息子も、守ると約束した第2の息子も、デリコ家の血筋も、全部全部失った。ひとりぼっちになってしまった。でも、今後ダリちゃんは笑いながら余裕を見せながら、いつもと変わらない様子で仕事をするのだと思う。あたかも全ての出来事を引きずっていないように。狂うことも出来ずに。

その力はダリちゃんの気質によるものだと思う。ダリちゃんってなんか他人事というか、俯瞰している視点があるというか、周りに対して流動的に立ち回るんだよね。キャストパレードで表されているように、探偵のように登場人物をしっかり見た上でその人にあったような行動をしているように見える。ある意味八方美人で相手の懐に入るのが上手い。(ただ妻と子に関しては全くそのように動けてない)
だから、例えば繭星のラスト、あそこに誰もいなかったら、ウルと2人きりだったら、ダリちゃん違う言葉を発したと思う。ダリちゃんは自分の感情も美化してしまう。自分も他人も昇華して美しい物語として完結させることが出来る人。可哀想な人。だから苦悩する息子たちの気持ちが分からなかった。メンタル強すぎるんだよダリちゃん。

 

ダリ・デリコの今後

私はダリちゃんには真っ当に生きて欲しいんだよな。いっそ今後の物語展開に出なくて良いよ。静かに生涯を終えて欲しいと思っています。でも、ダリちゃん、マリーゴールド世界線まで語られるくらいの「伝説の」吸血種になるはずなんです。何をするんでしょうね。伝説になるって、よっぽど偉大なことをしたとか、改革をしたとかしないと…それか偉大な死に方をしたとか…末満さん脚本ならラスト発狂死させるとかもありそうで嫌だな。ダリちゃんTRUMP作品では貴重な天寿を全うするキャラになって欲しい…

あと、染谷さんのダリちゃん、ほんとに好きなので絶対生で見たいなって思ってるんだけど、これ以上物語で綴られるくらい辛い目にあって欲しくないって気持ちが大きくて、心がしんどいです。

 

以上!!

末満さん作品刺さるのと刺さらないのの差が大きいのは事実なんですが、それは個人的な解像度の問題なので、TRUMPシリーズ全体としては好きになります。

ありがとうございます末満さん。

ヴェラキッカも楽しみだな!!

狐晴明九尾狩(ライビュ/ディレイ)

狐晴明九尾狩見てきました!!!

観劇する時期が絶望的に合わなかったため、ライブビューイングとディレイビューイングだけだったのですが、本当に楽しかった。
ライトでアニメチックな新感線だった。
しかも、ディレイビューイング、私の地元では珍しく前方3列以外はほとんど満席でした!!高校生の時からゲキシネやライビュに通っていましたが初めて見た光景.........

新感線さん!!!祝日の映画上映需要あります!!!

 

↓それでは詳しい感想を↓

安倍晴明
・優勝!!!!!!!!!!!

・題名発表された時の友達との会話
「主人公晴明だって〜!!晴明は長生きだからバッドエンドとかは無さそうだけど、生き地獄みたいな展開だったらやばいよね〜!!!流石の新感線でもそれはないか、、、笑笑笑」
狐晴明初見後の私
「ドウシテ……カズキ……ドウシテ………………………………」

・喜怒哀楽が激しい人間的な、それでいて且つ自分の感情に無頓着だった晴明くんが可愛いなって思ってたらラスト10分で全てを破壊された。

・私が新感線が恐ろしいなって思う理由、ラストの流れから感情を奪われたあの表情の方がむしろ中村くんのチャームポイントのポーカーフェイスだってことなんですよね。これをやるために中村倫也をキャスティングしたんですか??究極の当て書きすぎて震える。

・怒りって相手にレスポンスを求めてるから生まれるものだと思う。だから逆に怒らない人って相手に期待してないから怒らないはず。怒らないというか見限るよね。
だから、あのラストの晴明はもう誰にも期待できないんだって思たりした。悲しいな。

・あんなに頭が良いのに案外冷静じゃなくて、沸点低低晴明くんは、ちゃんと相手に期待してレスポンスを求めてたが故なのだと思うといたたまれなくなるんだよな、、、ちゃんと人間的だったんだよ、、、

・パイに「喜怒哀楽を全て奪われた孤独の中で〜」って言われた時、晴明くんが苦しそうな泣きそうな奥歯を噛み締めるような表情をしてたんですよね。その時に、彼は喜怒哀楽を奪われるのが悔しかったんだなって思って悲しくなりました。

・彼の今後の人生に幸いがあってくれと願わずにはいられない。


パイ・フーシェン/利風
・スーパービジュアル向井理!!!空飛んだ時楽しすぎてきゃっきゃしちゃった。

・1幕ラストがほんとにかっこよくて粋なことをするなって思いました。そしてこの1幕の「九尾狐晴明狩」がラストを示唆しているようにも思えますね。

・利風とパイの演じ分けが凄い。利風はほんとに晴明を気にかけていて大切に思っていたんだと感じた。

・晴明はずっと利風を見ていたという事実があまりにもパイにとって残酷。顔は印だった。

・晴明が利風を斬るシーン、両者肩を震わせていて本当に悲しかったし、絆を感じた。

 

タオ・フーリン

吉岡里帆が大好きなので最高の吉岡里帆を頂けて嬉しい。

・本当に本当に可愛かったのでまた出て欲しい次は高笑いする悪役やりませんか?????(カルテットでポテンシャルを知ってるので)

 

ラン・フーリン

・可愛い。早乙女弟に実際に弟を演じさせるの最高に可愛い。大阪の可愛い追加シーン見たかった。

・やっぱり最強の剣士なので殺陣が凄い。見えない。

 

虹川悪兵太
存在自体が夢三郎(夢虎)のアンチテーゼであることがしんどすぎる。何故竜星涼に夢三郎の次に演じさせたのか.........しんどい。

・にこにこ歌ってて、楽しそうだったな。竜星涼くん前ラジオで歌うの好きだって言ってたから本当に楽しかったのかも。

 

尖渦雅

・いや浅利さんだと思わなくてびっくりした
声違くない??

・噂に聞く大阪公演の可愛い渦雅さん見たかったなって思いました。

 

 

感情についての話それぞれ

・私は、感情を失うより取り戻す物語の方が好きなのかもしれないなって思った。狐晴明見たあとに「沖晴くんの涙を殺して」って小説思い出してよりメンタルやられてる.........あれは感情を取り戻す話だけど、晴明くんのラストが沖晴くんの初めと同じだった。
感情を失った人って、無表情になるんじゃなくて、取り繕った笑みを浮かべるんだね、、。

・感情を失う事が生き地獄なのか分からなくなってきた…本当に何も無い砂漠を歩くようなものなのかな。本人は日々に感情がないことをつまらないとも悲しいとも辛いとも思わないのだから。悲しいと思っているのはそれを観測している外野だけなのでは…そう思ってしまう。

・もしかしてだけど、晴明が感情を奪われたこと、皮肉にも利風を失った悲しみへの防衛反応だったりする?

・かずきさんって何かを失っても泥臭く人間的に生きていく話が多いからまさか主人公の人間性を奪い取るとは思わなかったな。
それって、過去作だとSHIROHとか阿弖流為と同じだ。主人公が神になってしまう話だ。

・晴明はもしかしたら自分が感情に無頓着だったこと、感情を人の行動原理だと思い利用したこと(タオちゃんの前での死んだフリ)の報いを受けたのでは。感情を大切にしなかったから感情を奪われたのではないか。そう考えると厳しすぎるだろうか。

・身体を奪われた利風と心を奪われた晴明の対比。やっぱり晴明は利風抜きでは語れない。

 

結末について

人って事故や病で今までと違う状態になってしまうことってあるじゃないですか。
そんな時にその人がそうなったことは確かに悲しいことだけど、その結末がバッドエンドって外野が判定して良いのかなって思うんです。周りが可哀想っていうのはなんか違うんじゃないかなってずっと思ってるんです。
だから、喜怒哀楽を失った晴明がバッドエンドかは私には分からない。この地点ではハッピーエンドって訳じゃなくて、判定不能って感じ。
ただ、晴明の勝算は仲間にあったとおもう。例えパイが感情を奪っても、仲間は奪えなかった。喜怒哀楽がなくなっても周りに愛情があるっていう安心感は失ってないと思うんです。
そこはパイの想定外のことで思考を上回ってるっ思うんです。
だから、晴明は勝ってるとおもう。

晴明は勝ってるよ!!!!!!

 

・最後の感情を奪われた晴明像が後世に伝わる晴明像だと思うと切なくなる。本当に笑って泣いて怒って楽しく過ごしていた彼を知っている人はいなくなってしまうんだね。

 

実はこれは内緒なのですが、ライビュの時新感線の発車ベルが鳴って舞台に文字が現れたとき少し涙ぐみました。あぁ、新感線見に来れたんだなって感慨深くなった。やっぱり新感線大好きだな。

さて、次回は

戻ってきた神州無頼街だ!!!

ジャック・ザ・リッパーについて〜初見〜

ジャックザリッパーの配信の感想を本当にざっくりまとめました!!木村・加藤・堂珍チームです!!!

 

達成ダニエル
追い詰められる姿が見事。達成くんのこういう演技をもっと観たいと思えました。
大好きシーンはジャックと交互に歌う時にジャックの顔と声に変化するとこ(上手く言えない)悪役の達成くんすごく映えると思ったんで、フランケンに出て欲しいです。ビクターとアンリどちらでも可。

そういえば達成くんのルドルフがめちゃくちゃ満点だったのを思い出しました。
当時の感想。
「ママも僕のことを見捨てるんだね、、、」の言い回しで(私の中で)最高点をたたき出して来たのがこの方。もう推し増やせないんですが、、、
熱いルドルフだった。平方フランツから生まれたのめちゃくちゃ納得する。革命にはしったのが感情の埋め合わせだったのかなとよく分かる。でも彼は熱くて感情豊かな割に、上に立つことには不慣れで、民衆の前で戸惑いながらトートから助言をもらってた。
ママ鏡のときも絶対分かってくれるはずだ!って確信を持ちながら語ってるように見えた。だからこそのセリフが辛い、、、
自殺するシーン、銃を持つ前に膝から崩れ落ちて顔を歪めていたのが、、、彼は死にたかったというより、ずっと居場所が欲しかっただけなんだね、、、」

なんで、達成ルドルフの映像ないんですか???

 

加藤アンダーソン
危険だ。推しタイプのキャラだ。どうしようもない人。失って初めて大切な人に気づく愚かで、でも切ない人。ポリーとの歌が辛い。
やっぱりアンダーソンの曲良きですね。色んなミュージカル俳優にコンサートで歌って欲しい。

 

堂珍ジャック
歌うっっっま。周りのミュージカル俳優さんたちとは異なる声質が人外感を生んでいて更によかった。

 

万里生モンロー
可愛い。

 

大学の授業で韓国ミュージカルの歴史についてレポート書いたことあるんですけど、やっぱりビッグウェーブが来ていると感じています。JtRはフランケンと近いけれども舞台がロンドン固定されてたり、回想を使って時系列を敢えてバラバラにしていたりするのでまた違った味の作品でしたね。あとみんな死ぬ(フランケンの方がヤバいけど)

 

最後に1番刺さったところ紹介しますね。

ワンフレーズずつ歌うカテコ

 

ほんとにほんとに大好き。
昔からオープニングかエンディングであらすじを凝縮して役者さん方が演じているのが大好きで。ある演出家の作品だとキャストパレードって呼んだりしますよね。物語の全てが凝縮されていて、しかもエンディングだと結末まで分かった上で再度物語に浸れるの最高じゃないですか??

今後全てのミュージカルで採用してくれませんか??待ってますね、ホリプロ東宝、各所。

ヨルシカのすすめ。

こんばんは。
本日別ジャンルのライブに行ってきました〜!!

 

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ピアノ&朗読→歌→ピアノ&朗読→歌……と繰り返すMCなしのノンストップライブでした。まじで映画。

私が最後に行ったアーティストのライブはセットがもはや遊園地でお馴染みのセカオワの「dinner」だったので、通常のライブが分からなくなりました(??)あの手を挙げて盛り上げる系のスタンダードライブに行った記憶がない。

 

そもそもヨルシカとはなんぞやという人へ。

ヨルシカはsuisとn-bunaの男女2人組のロックバンド。(wikiより)
形態はYOASOBIとかずとまよと同じ感じなんですが、ヨルシカの特徴は全ての曲がつながっていて、ほんのりストーリ仕立てなことです。この歌詞はもしかして?このメロディーはもしかして?というオタク大好きリプライズみたいなものも聞けちゃう。
ちなみにアルバムが凄いことで有名。下の物語を保管するような手紙とかカセットテープが着いてきちゃう、らしい。(私はのんびりオタクなので音楽配信サービスに頼っちゃってる)

ストーリーとしては、
①前回までのアルバム→「だから僕は音楽をやめた」と「エルマ」というアルバムからなる男女のお話。音楽を残して去ってしまったエイミー(男)の面影を追うエルマ(女)の物語。最初は断片的だった話がひとつに集約するのが凄い。
ラストの曲が全ての話を総括しているので聞いてください。

 

「ノーチラス」

ヨルシカ - ノーチラス (OFFICIAL VIDEO) - YouTube

私はアウトロの海の音で泣きました。

 

②今回のアルバム→盗作と創作からなる。音楽泥棒さんとその妻の物語。妻とはどうやら死に別れたらしい。名前などは不明で、まだ謎が多い物語、、、

だったんですけど、今回のツアーで配られた冊子の題名が「生まれ変わり」
いや、まさかな、、、まさか、、、って思ってたんですけど、前回(おもに①の曲)ライブの題名「前世」なんですよね。前前前世から君を探しに来たんですか???どうなんですか???

今回の題名「盗作」ってもしかしてそういう……コトッ???

 

こんなにストーリーの話をしていますが、そもそも曲がいいので聞いてくれ……
独断と偏見で3つに分けました。

 

1.呟きヨルシカ
「言って。」とかがこの系統。みんながだいたい知っているヨルシカはこれ。初期に多い。最近だと「風を喰む」とか、「花に亡霊」とか。
可愛い、呟くような声が特徴。息が多め。明るい曲が多いけどなんだか寂しげ。歌詞は可愛い。
「パレード」

ヨルシカ - パレード (Music Video) - YouTube

本当に本当に大好きな曲。サビの「ひとりぼっちのパレード」って歌詞が天才……

 

「夜行」

ヨルシカ - 夜行 (OFFICIAL VIDEO) - YouTube

銀河鉄道の夜を彷彿とさせる歌詞が素敵。一輪草で泣けるようになる。

 

2.強いヨルシカ
上とのギャップで風邪を引く。まじで同一人物なのか分からない。少年のような声とトゲトゲした歌詞が特徴。「爆弾魔」とか「花束と強盗」とか「思想犯」とか「だから僕は音楽を辞めた」とか、題名からして強い。歌い方もがなり入れたり、サビにかけての盛り上がりが凄い。歌詞は青いのが多いからその青さが好きな人はハマる。

一緒に世の中を穿った見方しちゃおう!!


「春ひさぎ」

ヨルシカ - 春ひさぎ(OFFICIAL VIDEO) - YouTube

題名から強い。今回私が行ったライブの入りがこれだったのでかっこよすぎて泣いた。

 

「準透明少年」

ヨルシカ - 準透明少年 (MUSIC VIDEO) - YouTube
イントロから大好き。「透過」と「淘汰」の歌詞の対比を聞いてください。

 

あと、YouTubeにないのですが、
「五月は花緑青の窓辺から」の「この痛みが君の証明だ」

「夕凪、某、花惑い」の「さよならだけじゃ足りない」
「神様のダンス」の「忘れるなんて酷いだろ幸せになんてなるものか」
って歌詞にザワってする人はこの系統にハマる素質があります。
あと、

推しのイメソンにおすすめ。

 

3.良ヨルシカ
上記のどれにも属さない。というか、1.2のハイブリッドみたいな歌い方が特徴。「ただ君に晴れ」とかが有名。歌の伸びがやばい。歌詞は古典を入れていることが多くて、「エモい」。良い。
「春泥棒」

ヨルシカ Live「花人局 / 春泥棒」 - YouTube
エモい以外の感情を失う。

ヒッチコック

ヨルシカ - ヒッチコック (MUSIC VIDEO) - YouTube

どこに入れたら良いかわからないからここに。思春期に聞いてたら泣いてたかもしれん。

「雨とカプチーノ

ヨルシカ - 雨とカプチーノ(Official Video) - YouTube
今コラボ商品をローソンで売ってます。


まさか自粛中に聴き込んだヨルシカさんが地元に来るとは思わなかったので、斜め上から刺さってきた沼に動揺しています。
ミューオタ特有の「歌上手い人大好き」な血が騒ぎますね。

とりあえず、
ノーチラスだけでも

覚えて帰ってください……


※追記※

ライブ考察(ネタバレしかありません。)
「前世」のライブは履修できていないので、今回のライブと今まで聞いてきた曲の考察を絡めて考えました。

 

このライブの結論。
この魂は寄せ集め。
つまりは「盗作」。


・前世と現世
音楽泥棒の妻は幽霊と会ったと言う。その事をにわかには信じ難いがなんだか否定ができない音楽泥棒。バス停で出会ったその幽霊は音楽泥棒の妻を見ると満足そうに消えたらしい。

つまり、妻=エルマの生まれ変わりである。

そして、ラストのシーンでわかるが音楽泥棒自体=エイミーの生まれ変わりである。ラストのシーンで流れるように変わる写真は、多分幽霊のときの記憶では無いだろうか?(海の写真もあったし)

 

花言葉
音楽泥棒=エイミーだと分かるには
百日紅」がヒントになってくると思う。百日紅について検索をかけまくった結果、とても重要そうな話を見つけた。


ある所に王子がいた。その王子は旅の途中である娘に恋に落ちる。しかし、王子は旅を続けなければならなかったため、100日後に娘と再開する約束をする。100日後、会いに行くと娘は既になくなっていた。その代わりにその娘の墓からは木が生え、綺麗な赤い花がさき続けるようになった。つまり、娘の生まれ変わりは百日紅


百日紅は生まれ変わりの示唆である。

次に妻との幼少期の記憶の中で出てきたのが、「一輪草」。この花言葉は「追憶」。
今は亡き妻の幼少期の思い出を振り返る姿に一致する。


・ノーチラスの歌詞
ノーチラスの歌詞でずっと疑問に思っていたことがある。
「もう目を覚まして、見て。
君を忘れた僕を」
僕を忘れた君ならなんとなく納得がいくけど、エイミーがエルマを忘れるとは、、?と思っていた。
今回の生まれ変わりのことを考えると、
君(=前世の記憶)を忘れた僕(=生まれ変わった僕)を
ということになるだろう。

 

・つまり、音楽泥棒の言う音楽を盗むとは
実際の盗作という意味と同時に
前世の自分つまり、音楽家だったエイミーの盗作である。
また、もしかしたら、エイミーだけでなく、その前世そのまた前世の盗作でもあるかもしれない。
そもそもヨルシカのコンセプトは「生まれ変わり」だそうです。↓
ヨルシカ「負け犬にアンコールはいらない」インタビュー|スランプを抜け出した先にn-bunaが見た世界 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

拡大解釈をすると、これは輪廻転生の暗示であり、結局現世の自分も前世の自分をなぞることしか出来ないという運命論の話であると思う。

また、これが夢であるという点については考察の余地があるだろう。

 

・今回の展開予測
ノーチラスの歌詞に
「丘の前には君がいて 随分久しいねって
笑いながら 顔を寄せて 2人で行こうっていうんだ」
とある。音楽泥棒とその妻はどうやら死に別れたらしいので、現世でもエルマとエイミーが同時に天寿を全うすることは叶わなかったといえる。
よって、今後、もう一度生まれ変わるか違うフェーズに映ると考えられる。

幸せになれ、、、